ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
少し落ち着いたあたしは、時間を見てびっくりした。
18時47分。
夏場は外がずっと明るいから、時間が分からない。
お母さんに、買い物に行くから19時頃に帰って来てと、言われていたのに…。
早く帰らないと!
周りを見渡すけど、西藤くんは居ない。
本棚をひとつひとつ歩いて見るけど、西藤くんは居ない…。
どこに行ったんだろう…。
外かな?
小走りで外に行くと、西藤くんは居た。
だけど、耳に携帯を当てて電話中。
結構離れた距離だから、会話は聞こえない。
しょうがない……終わるのを待とう。
と思った時、西藤くんはあたしに気付いたようで、早々と電話を切った。
「津田ごめん!」
「えっ!?あ……うんっ」
話かけられると、またドキドキしてきた。
「あのねっ、あ、あたしそろそろ帰らなくちゃならないのっ」
恥ずかしいやら何やらで、動揺しまくりだ。
「そっか分かった。ごめん、悪かったな」
「ううんっ、あ、全部写せた?」
「おぉ。大体出来たから、後は大丈夫。サンキューな」
西藤くんはいつもやるように、頭をポンッと撫でた。