ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「そうだったのっ!?」

目を丸くして驚く。

「うん♪」

笑って頷くメグちゃん。

そっかぁ…。
それならあたしはお邪魔虫だから、裕くんと一緒の部屋に…

なんて一瞬、理解しかけてしまった。…けど、

「無理っ!ぜーったいダメっ!!」

あたしが大きな声を出すと、みんなが「しっ!」と、口元で人差し指を立てた。
あたしは慌てて口を閉じる。

静かにしなくちゃいけないのは、裕くんが寝室で勉強しているから。

つまりは裕くんは、この話を知らなくて…。

もし、ここに居たら、どんな反応をするんだろう…。

…なんて、考えてる場合じゃないっ!

「あたし、ここで寝るから大丈夫だよ…」

今度は声を潜めて言う。

例え二人がカップルで、あたしがお邪魔虫だとしても、裕くんと同じ部屋で寝ることはない。

ここで寝れば…済む話。

「ね?そうすれば…」
「それじゃ意味ないのっ!」
「えっ…」

由紀ちゃんは、あたしの腕を掴んだ。
そして、引っ張って歩き出す。

「由紀ちゃん?」

どこに連れて行かれるか分かっていながらも、抵抗出来ないのは、由紀ちゃんの声が、少し強かったから。
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