ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「付き合うなら付き合う!別れるなら、きっぱり別れる!はっきりしておいで!」
ポンッと、由紀ちゃんはあたしの肩を軽く叩いた。
友達ってすごい。
いつだって由紀ちゃんは、あたしの気持ちを知ってる…。
そしてそれは由紀ちゃんだけでなく、メグちゃんも…。
本当は、はっきりさせたいの。
自分の気持ちにけじめを付けなきゃ、前に進めないから…。
「でも…」
怖い−…。
あたしの目も次第に潤む。
「こういうのは勢いじゃない〜?」
「うん、勢い」
泣きかけるあたしを見ながら、何かを納得する二人。
不意に恐怖を覚えて、込み上げて来た涙は、ピタッと止まった。
「行きますか♪」
「行きましょお〜♪」
二人はあたしを挟んで両腕を掴み、歩き出した。
「えっ!?ちょっと!」
あたしは慌てるけど、目的地はすぐそこで、抵抗の余地はなかった。
ガチャッ
由紀ちゃんはノックも無しに、勢いよくドアを開ける。
「西藤くん、苺をよろしくっ♪」
「ひゃっ!」
由紀ちゃんとメグちゃんは、あたしを部屋に入れると、腕から手を離した。