ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「っ−…」
いきなりドアを開けられた裕くんは、明らかに驚いた顔をした。
「苺ちんをよろしくぅ♪」
言いながらメグちゃんは、荷物を置く。
「怒られる前に早く逃げよっ」
「うん」
小声で話を進める二人。
「ちょっと待って…」
置いて行かれることを察したあたしは、引き止めようとしたけど、
「このチャンス逃しちゃダメよ」
あたしの耳元で言われた、由紀ちゃんの言葉に、固まってしまった。
「「じゃあ、おやすみ〜♪」」
おやすみ…って、あたしここで寝るの決定!?
動揺するあたしを一人残して、二人は早々に出て行った。
閉められたドア。
部屋はしんと静まり返る。
「…何?」
裕くんの声が響くように聞こえる。
「あ…えっと…」
あたしは振り向いて、視線をドアから裕くんへと変える。
ドキッ−…
裕くんの目を見て、息が止まってしまいそうになる。
やっぱり怒っているのだろうか…。
あたしを見る目は…
暖かいものじゃない。
あたしは視線を逸らす。