ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「苺が俺だったら、どう思う?」
裕くんの声は、まるであたしを慰めるように穏やか。
「あたしが…裕くんだったら…?」
「そっ。苺が遠くに行くとして…俺が“寂しい”って言ったら」
そんなの…決まってる。
「…嬉しい……」
少し困るかもしれない。
それに絶対悲しくなる。
だけど、
自分が居なくなることを“寂しい”と、大好きな人が言ってくれる…。
こんなに嬉しい事はない−…。
「…ふぇっ……っ…」
またどうしようもなく、涙が押し寄せる。
「苺の気持ちは醜くなんかない」
ぎゅって、また力が入れられる。
「苺…ありがとう」
“ありがとう”
その言葉に、あたしは首を必死に振った。
だって、お礼を言われるような気持ちじゃない。
好きな人と“離れたくない”と思うのは、
当たり前な気持ちだから…。