ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
早いなぁ…なんて笑いながら、閉じたばかりの携帯を広げる。
カチッ
「えっ…」
予想もしないメールの内容に、つい声が出た。
【良かったねじゃあ、おやすみ】
おやすみって…
やっぱりここで寝るのっ!?
「どうかした?」
裕くんは携帯を覗こうとする。
「なっ何でもないっ!」
あたしは慌てて閉じようとした…けど、しっかりと見られてしまった。
「…中野達の部屋、帰んないの?」
「あ…」
メールを見られてしまった以上、“帰る”って言うのは、裕くんを避けるみたいだし…。
かと言って、一緒の部屋で寝るなんて…!
返答に困っていると、裕くんの口から出た言葉は意外なものだった。
「じゃあ、そろそろ寝よっか」
「…」
あたしは呆然とする。
寝る…の?ここでっ!?
「苺…?」
不思議そうに裕くんに見られて、顔が赤くなる。
何を意識してるんだろう…。
ベッド二つあるんだし、別々に寝ればいいことだよっ!
自分に言い聞かせるようにして、あたしは裕くんに、「うん」と頷く。
そしてそそくさと、座っていなかった方のベッドに移った。