ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「…苺?」

もう早く寝てしまおうと、布団の中に入ろうとした時、名前を呼ばれた。

あたしはゆっくりと、裕くんの方を見る。

「こっちおいで」

ドキンッ…

「えっ−…」

あたしは驚いて、そのまま固まった。

それって…それって…

顔が赤くなるのを感じ、心臓の鼓動は早くなる。

どうしよう…。

困っていると、裕くんはいきなり苦笑した。

「何もしないって」

「えっあっ!?」

思っていたことが、また顔に出ていたのだろうか。
恥ずかしくて、顔がもっと赤くなる。

「おいで」

優しく微笑んで、あたしをまた呼ぶ。

「…うん」

断る理由なんかなくて、あたしは裕くんの側で眠ることにした。

冷たい布団の中に入ると、

「ひゃっ…」

裕くんに抱きしめられた。

すぐに布団の中は、温かくなる。

ドキンッ…ドキンッ…

未だ心臓の音はうるさい。

だけど、すごくすごく幸せなドキドキ…。
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