ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
由紀ちゃん…
小学生の頃から、あたしを近くで見てくれてる親友。
だから、あたしのことを、本当にすごく分かってくれて…
いつも優しくしてくれる…。
小学、中学、高校と、ずっと一緒に歩んで来たけど、
4月からは別々の大学だね…。
「苺」
「うん?」
「春休み、メグと三人でいっぱい遊ぼうねっ!」
由紀ちゃんの笑顔に、あたしも笑顔になる。
「うんっ!」
違う大学でも、きっと由紀ちゃんとの関係は、変わらない。
あたしは何かあれば、由紀ちゃんに相談して、
由紀ちゃんは一緒に考えてくれて、
絶対最後は、一緒に笑いあってるんだ…。
中野由紀。
あたしの一番の理解者−…。
「もぉ、遅いよぅっ!!」
学校に着くと、メグちゃんが膨れっ面でお出迎え。
今日のメグちゃんは、いつもよりしっかりとされたメイクに、いつもより短くされたスカートで、気合いが入ってる。
「ごめんねっ」
あたしが謝ると、ぱっと表情を変えて、「いいよぉ♪」と笑った。
「ねぇ、苺ちん書いて書いてぇ〜♪」
そう言ってメグちゃんは、手に持っていたものを、勢いよく広げる。
それは昨日貰ったばかりの、卒業アルバム。
開いてあるのは、最後の方にある真っ白いページ。
「あっ、いいよ♪あたしのも書いて!」
あたしはメグちゃんのアルバムを受け取って、自分の机へと急いだ。