ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「俺と麗奈は幼なじみ」
「そう♪…って裕ちゃん!学校では、藤堂先輩って呼びなさいって、言ってるでしょ!」
「麗奈だって、裕ちゃんって呼んでんじゃん」
「裕ちゃんは年下なんだからいいの!」

えっと…

「先輩…なんですか?」
「あ、自己紹介してなかったね、ごめんなさい。2年の藤堂 麗奈です。さっき裕ちゃんが言った通り、裕ちゃんとは幼なじみ。裕ちゃんがいつもお世話になってます」

キーンコーンカーンコーン…

藤堂先輩が言い終えるか終えないかぐらいの時に、チャイムが鳴った。

「鳴っちゃった!じゃあね。裕ちゃん、今日一緒に帰ろうね!」

そう言い残し、藤堂先輩は手を振りながら、教室から出て行った。

気付けば、教室に居るほとんどの生徒が、あたし達のやり取りを見ていたようで…

「初めて至近距離で藤堂先輩見たし!マジ綺麗じゃねぇ!?」

と、興奮している男子…

女子は女子で、

「悔しいけど王子とお似合いー♪」

なんて言っている。

藤堂先輩は、この学校の有名人だったらしい。
まぁ、あんなに綺麗な人だもん。当たり前か…。

知らなかったのは、そういう事に疎い、あたしぐらいだったみたい。
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