ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
藤堂先輩…。
「裕ちゃん」と「麗奈」って呼び合ってて…
すごく仲良さそうだったな。
今日一緒に帰るんだ…
あたしだって一緒に帰りたい。
付き合ってるのかな…
ううん、幼なじみって言ってたもん。付き合ってるなら『彼女』って言うよね?
付き合ってない…よね?
不安?ヤキモチ?思考が止まらない。
隣には、全ての問いに答えてくれる人がいるのに…あたしは何も言えず、何も聞けなかった。
藤堂先輩じゃなくても、彼女が居ておかしくない。
なのに、あたしは考えた事なくて…。
近くにいれるだけでよかったから。
だけど、1限のHRの途中「席がえしたい」という誰かの声で、近々席替えする雰囲気になった。
“西藤くんの隣の席”というこの立場から、
離れちゃう−…。