ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
3階に上がると、教室はすぐに見つかった。
ガラガラガラッ!
何の躊躇いもなく、今日から自分の教室になるドアを、勢いよく開けた。
「………」
皆びっくりしてこっちを見ている。
その様子に、もう少し静かに入って来れば良かったと、反省の気持ちが生まれた。
「…津田さん?」
教壇に立っていた、母さんくらいの歳の先生が、突然誰かの名前を呼んだ。
先生は真っすぐ、俺の隣の女の子を見ている。
へー…津田って言うのか…。
深くは考えず、そう思ったすぐ後に、二人は意味不明な会話を始めた。
「1年生を連れて来てくれたのかな…?」
「あっ…いえ…」
女の子が軽く首を振ると、先生は首を傾げた。
「そうよ…ね」
連れて来た…?
言葉の意味が分からない。
「とにかく津田さん、早く自分の教室に戻りなさい」
「はいっ!」
自分の教室…って…。
「お前…5組って言わなかったか?」
聞くと、女の子は申し訳なさそうな顔で、恐る恐る言った。