ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
あたし…2年です」
「え…?」
それは、思いもしない解答。
「ごめんなさいっ!」
一言謝ると、津田さんと呼ばれた女の子は、走って教室を飛び出した。
入学式が始まった、空気の冷たい体育館。
一列に並んで、真ん中の通路をゆっくりと、歩きながら考える。
勝手に勘違いして、連れて来てしまった罪悪感からか…
どういうわけか、頭からずっとあの先輩が離れない…。
「…っと背、低くない?」
ふと聞こえた声。
背のことになると、自然と聞こえてしまう。
これを地獄耳って言うのだろうけど、人の耳って嫌なことは、聞きたくなくても、聞こえる様に出来ている気がする。
いつもなら、気にせず通り過ぎるはずなのに…
何かに引き寄せられるように、声がした方を見た。