ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

息を切らして、麗奈が教室に入ってきた。

「もぉっ…先生ってば、なかなか帰してくれないんだもんっ…逃げてきちゃった♪」
「大丈夫かよ」
「平気平気!あ、津田さんこんにちは♪」
「こんにちは…」

津田は少し、ためらいがちに挨拶した。

「さっ、裕ちゃん帰ろっ♪あたし走ったから喉渇いちゃった!先に行ってジュース買ってるね♪」

言うと、麗奈はすぐに教室を出た。
今日はいつもよりご機嫌みたいだ。


そういえば…

「津田、さっき何か言いかけた?」
「ううん、何でもないっ!」
「そか…津田も帰るんだろ?一緒に降りるか?」

カバンを持って席を立つ。

「あ……あたしは、もう少ししてから帰るよ」
「そか、じゃあな」
「うん、バイバイ」

何となく、津田の顔が一瞬曇って見えた…けど、津田はいつもの笑顔で手を振った。
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