ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
もう少し…津田と話していたかった気がした。
階段を降りて下駄箱に着くと、既に麗奈が待っていた。
「裕ちゃん飲む?」
飲みかけのジュースを差し出されて、一口もらって返す。
「部活出ねぇでいいの?」
「いいの」
「最近ずっと出てなくね?」
「明日からは、ちゃんと出るよ♪最近やる気なかっただけ」
「明日からはやる気あるんだ?」
「まぁね♪」
「ふーん」
「―………」
麗奈はいきなり足を止めた。
今さっきまで笑っていたのに、浮かない…悲しそうな顔をしている。
「麗奈?」
「あたし…悪い子ね……
…お兄ちゃんと彼女が、別れそうで喜んでる」