ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

卒業から生まれる恋のかたち。

-side 大和-


「大和ぉー…、大和ぉー?」

放課後の廊下に響く、俺の名前を大声で呼ぶ女の子の声。

普通なら女の子に呼ばれると、喜んで応えるのだが…ひっそりとしゃがんで、物陰に身を隠す。

早くどっか行ってくれ。

俺のそんな祈る様な気持ちが伝わったのか、

「もぉー…」

女の子の声は怒った様に呟いて、自分の教室の方へと戻って行く。

「はぁ…」

安堵感から、ついため息が零れる。

「大和」
「!!」

そんな矢先、いきなり背後から声をかけられた。
まさかと、びっくりして振り向くと、

「何だ裕也かよ…」

そこに居たのは、裕也。

これでもかと言うくらい調った、涼しげな顔で俺を見る裕也とは、中学からの付き合いだ。

一番仲の良い奴と言って
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