ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
麗奈と初めて会ったのは、6歳の時。
俺の親父と麗奈の親父さんが、友達だった事がきっかけで、隣の家に引っ越してきた。
7歳の頃から麗奈は、いわゆる美少女で、初めて見たとき幼心ながら、ドキっとしたのを覚えている。
毎日一緒に遊んで…
姉弟みたいに仲良くなった。
俺は麗奈に憧れてた。
好きだった。
だけど、麗奈が恋をしたのは俺じゃなくて…
明人さん…麗奈のお兄さん。
お兄さんと言っても、血はつながっていない。
麗奈の両親は、麗奈が中学に上がると同時に離婚し、1年後に親父さんは再婚した。
明人さんは、今の麗奈の母さんの連れ子。
歳は麗奈より5歳年上で22歳。大学4年生。
麗奈が明人さんを好きなのは、すぐ分かった。
明人さんが、麗奈を“妹”としてしか見てない事も…。
それでも麗奈が見ているのは明人さんで…
俺は次第に麗奈を諦めていった。
「喜ぶのはしょうがねぇだろ」
泣きそうな麗奈の頭を撫でる。
「でも……ううん。裕ちゃんの方が年上みたいね」
「ばーか」
麗奈はふっと笑った。
「裕ちゃん…約束ずっと守ってくれてありがとう」