ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「メーグー…!」
「ごめん由紀、怒んないでぇ」
わたしが声のトーンを引くして咎めると、メグは笑いながら謝った。
まぁ、悪気があって笑ってしまったのではないことくらい、分かっている。
「何か飲む?って言っても、コーヒーくらいしかないけど」
「うん♪」
「じゃあ入れるね」
わたしはキッチンへと移動した。
「ねぇねぇ、苺ちんびっくりするかなぁ?」
メグはテーブルに着き、覗き込む様に、こっちを見ながら話し掛ける。
「そりゃあ…びっくりするでしょ」
答えながら、ケトルに水を3分の1くらい入れて、火にかける。
「でも、苺ちん絶対喜ぶねぇ♪」
「そうだね」
インスタントコーヒーを、スプーンで1杯、2杯と、手際良くマグカップへ入れながら、幸せな会話に笑顔になる。
わたし達が高校を卒業してから、4年。
苺とメグは短大を卒業し、就職してもう2年。
わたしは先日大学を卒業したばかりだけど、
みんな22歳と大人になっていた。