ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

中野由紀の恋愛事情。

-side 由紀-


「由紀、そろそろ電話切らないと、着いちゃうよぉ?」

友達に電話をかける、わたしの袖を、メグが引っ張った。

「…あ、そう?」

受話器を持ったままにも関わらず、わたしはメグに対して答えてしまい、それと同時に、電話の相手も何かを話した。

「ごめん何?苺」

慌てて電話に戻る。
耳は2つあっても、集中して聞けるのは1つのこと。
聞き逃してしまったことは、言うまでもない。

『誰か居るの?』

やばっ…。

「あっ…ちょっとね。ごめん、そろそろ切るね?」

メグと一緒に居ることが、バレてしまったら意味がない。
わたしは慌てて、電話を切る方向へと、一気に話を進めた。

『もう彼氏と居るんならそう言えばいいのに。分かった、じゃあね♪』

良かった…勘違いしてくれている。

「ごめんね、じゃあねっ!」

「ふふっ♪」

ボロが出てしまう前に、電話を切ろうとしたのだけど、
隣に居たメグが突然笑い出して、もしかしたら声が入ってしまったかもしれない。
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