ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

恋…それから−…。


太陽の日差しが暖かい午後…。

窓をいっぱいに開けて、

掃除機の重たい音を部屋中に響かせて、

少し遅めの掃除をする。


寝室はベッドが邪魔で、掃除機をかけにくい。

だけど掃除も、あたしの仕事。

相変わらず小さな体で、一生懸命掃除機を動かす。


トンッ

バサバサッ…

不意に掃除機の柄の部分が、小さなラックに当たって、上に置いていた物が滑り落ちた。

「あー…やっちゃった」

ぬいぐるみとか、いらない書類とか、本とか床に散乱。

掃除機のスイッチを消し、しゃがんで落ちた物を拾う。

何だか難しそうな本は、しおりが抜け落ちてしまった。

怒られるかな…。


あたしだけではないけれど、ついついちょっとした物を重ねすぎ。

掃除機をかけるだけじゃなくて、こういう所も片付けなくちゃ…。

反省しながら拾っていると、ある物が落ちているのが見つかって、手を止めた。
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