ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「わっ…懐かしい」

手に取ったのは、高校の卒業アルバム。

いつ、こんな所に置いたんだろう…?
それに、どっちのかな…?

考えながら、引き寄せられる様に、卒業アルバムを開く。


一番最初は、校舎の写真で飾られていた。

全て知っている場所なのに、何だか違う風景に見えるのは、

色々な角度から、撮られているせいか…時間の経過が、忘れさせてしまったのか…

どちらかは分からない。

それでも、やっぱり3年間過ごした場所。
“懐かしさ”は、きちんと感じる。

入学した時は校舎の大きさに驚き、迷子になってしまうのではないかと心配していた。

だけど、いつの間にかそんなことは忘れて、ちゃんと“自分の場所”になっていた…。


ゆっくりとページをめくると、

校長先生を筆頭に、お世話になった先生方の写真が現れた。


数学の先生には、怒られっぱなしだったな…。

修学旅行、先生の部屋に一緒に泊まったなぁ…。

この先生は優しかった。

普段、思い出すことなんてほとんどないのに、顔を見ると浮かんで来るから不思議。
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