ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*

「ごめん、まだなの。もうちょっと待ってて」
「まったら…こうえんいく?」
「行くよ」

微笑んで言うと、顔をパァっと明るくさせ、嬉しそうに頷いた。

「あれ?それなぁに?」

あたしの手の中のアルバムが気になったのか、笑顔のままそれを指差す。

「あー…これは…」

一瞬、見せてあげようと開くけど、

「もうちょっと大きくなったら、見せてあげるね」

あたしがもっと子供の時の写真ならともかく、3歳の娘に「ママの高校生の頃の写真だよ」と、言って見せても、まだピンと来ないだろう。

「えー!」

気になるらしく、少し駄々をこねる。

「早くお掃除終わらせないと、日が暮れちゃうよ?」

あたしが意地悪に言うと、

「そうじしてー!」

大きな声であたしを急かした。

いながら立ち上がる。

「あ…心愛、公園行った後にパパ迎えに行こうか」

「うんっ!!」

あたしの提案に、パパっ子の心愛は、とても大きく頷いた。
< 492 / 494 >

この作品をシェア

pagetop