ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「津田さんごめんね、あたしが裕ちゃん引き止めて手伝わせちゃったの…」
麗奈が謝る。
「いえ…藤堂先輩、気にしないでください」
「ありがとう。裕ちゃんここまででいいよ、後は自分で運べるから」
「いや、これ重たいし、持ってってやるよ」
「でも…」
「大丈夫です!先生にはあたしが上手く言っときますから、持って行ってもらってください」
津田は笑顔で言う。
「津田さんありがとう。あ、苺ちゃんって呼んでもいいかな?」
「えっ?あっ、はいっ」
津田は少し、びっくりした様子だった。
麗奈は、何気に津田を気に入っている様子で、たまに「あの子、本当にかわいいよね♪」とか言っていたから、きっと仲良くなりたいのだろう。
「藤堂さーんっ!今から打ち合わせお願いできる?」
突然、知らない女の子が駆け寄ってきて、麗奈に話しかける。
「あっ、ごめんなさい忘れてた!荷物持って行ったら行くから」
「わかりました〜。例の…決まった?」
「あ…」
麗奈が俺の顔をじっと見る。
「裕ちゃん…“彼氏”に、なってくれないかなぁ?」
麗奈はにこっと笑った。