ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「すごい人だねぇー!」
その言葉通り、学校は沢山の人で賑わっていた。見慣れた制服の中に、見慣れない制服や私服の人達。
毎日通っている学校が、何だか別の場所に見える−…。
そう、今日は文化祭。
「苺、びっくりしすぎ〜」
そう笑ったのは、由紀ちゃんではなく、クラスの友達。
由紀ちゃんは、バスケ部の販売で一緒に回れない。なので今日は他の友達と回っていた。
「だってホントに人いっぱいなんだもん!」
「苺はホントにかわいいんだから〜♪」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。
「じゃあ、次どこ行く?」
「ねぇ…そろそろじゃない?」
「あ、そうだ!」
…?
何の話をしているのか、さっぱり分からない。
「何がそろそろなの?」
「苺、ウチの文化祭の名物行事…知らない?」
「名物行事…?」
さっぱり分からない。
「あのね…」
「早く行かなきゃ見えないよ!」
説明してくれようとした時、友達の一人が今度を遮った。
「そうだね!苺、行ったらわかるから!」
そう言われて、あたしは友達に手を引っ張られ、連れて行かれた。