ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
連れて行かれた先は、生徒会主催の野外ステージ。
朝から吹奏楽部の演奏や、ダンス部のダンスなどで、賑わってはいたけれど、それより多くの人が集まっていた。
「もう始まってたか!」
「ねぇ、何やってんの〜?」
人より小さいあたしには、前の男子の背中しか見えない。
その場でぴょんぴょん跳ねてみたけれど、やはり見えない。
「じゃあ、強行突破しますか♪」
その一言で、みんなずいずいと人の波へ入って行く。
少し気は引けるけど、気になるからあたしも遅れないように、着いて行った。
「苺、見える?」
「うーん…うんっ!」
ステージには…女の子が並んでいた。
「何?どーゆー事?」
「マジで知らないんだね〜、ミスコンだよ♪」
ミスコン…
ミスコンっ!?
「え、ミスコンなんかあるのっ!?」
「あるの?って…目の前でやってんじゃん?」
確かに…。
ステージに目を戻すと、みんなかわいい。
そんな中で、一際輝いて見える女の子が居た。
藤堂先輩……。