ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*


翌日…。

あたしはどうやって話かけようか悩んでいた。

直接言って、断られたら泣くかも…。やっぱりメールで言おうかなぁ…。

「津田?」
「なぁに〜?…って、えっあっおっ!?」

呼ばれて振り返ったら、そこに居たのは西藤くん。

「くっ…津田、何言ってんだよ〜!」

西藤くんは爆笑している。

「そんなに笑わないでよー!」

西藤くんが笑ってくれるのは嬉しいけど…ちょっと複雑。

「で、何か用があるんじゃ…?」
「そうそう。足治ったんだなって」

西藤くんの視線は、あたしの右足首へ。つられてあたしも自分の右足首を見る。

「うん、もうすっかり治ったよ!」
「良かったな」

心配してくれてたのかな…。

「ありがとう」

あたしは少し照れながら、笑って言った。

「体育の時、走ってるの見たから…ただそんだけ」

あっ!
映画に誘う事を少し忘れ気味だった。
言うなら今…だよね。
機嫌も良さそうだし、OKしてくれる気がする。

がんばれっ!!あたしっ!


「あ…のさぁ…」
「ん?」
「え、映画とか行かないかな?」

ヤバイ…心臓がバクバクする。

「え?」
「あっ、由紀ちゃんにチケットもらったんだけど、由紀ちゃん部活で行けないらしくって、一人じゃ寂しいなぁ〜誰か一緒に行ってくれないかなぁ〜なんて思ってて!西藤くんは文化祭の時の事もあるし…そう!足のお礼!足のっ!!」

「くっ……」

西藤くんは笑いを必死にこらえている。
自分でも何言ったかわからない。

はぁ…泣かないようにがんばろ。
そう思った時、

「津田おもしれ〜…行くよ」

西藤くんはお腹を抱えながら、返事をしてくれた。
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