ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
「有り得ない!有り得ない!有り得ないっ!マジ最悪!!」
由紀ちゃんに連れて行かれた先は、女子トイレ。
チャイムが鳴ってしまった為、もう誰も来ない。これで1限目の始業式は、完全にサボりだ。
「苺、もぉあんな奴の事忘れな!最悪な奴だったね!」
さっきから由紀ちゃんは、怒りまくっている。
「ふっ…えっ…」
あたしは由紀ちゃんに、慰められながら泣いていた。
本当に最悪だよ…。
あたしとの約束破って、藤堂先輩と…
最悪…。
そう思うのになんでかな?
頭に浮かぶのは、
夏祭りの事や図書館、文化祭でのおんぶ…
嬉しかった事ばっかり。
約束破ったのだって、深い理由があったんじゃないかと…
西藤くんは悪い人じゃないと…
思ってしまう。
キライになれないよ…
好き…。
「苺…」
由紀ちゃんは、うずくまって泣く、あたしの頭を撫でた。
「ふえっ…由紀ちゃん…あたしっまだ…好きだよ…」
「うん…」
だけど、この気持ちはもう邪魔。
西藤くんには、
藤堂先輩が居るから。
「…あたしっ…告白する…」
諦めるために。