ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
☆裕也side☆


あれから…1か月ちょっとが、過ぎた。

津田は話し掛けようとしても、目をそらして逃げて…全く話をしていない。

1度、中野に相談したら、

「は?あの日、苺ずっと待ってたんだよっ!?最低!」

と、怒られた。

確かに俺がした事は最低で、だから津田が、俺と話したくないのなら、しょうがない。
俺は津田に、きちんと謝れずにいた。



「裕ちゃんおはよっ♪

家を出ると、麗奈がいつものように待っていた。

「裕ちゃん、今日は部活が終わるの待っててね♪」

麗奈は、俺の腕に自分の腕を、するりと絡ませる。

「なんで?」
「もぉ、裕ちゃんこういう事うといんだから。今日は何月何日?」
「えっと2月……」

何日だったか考える…が、分からない。

「2月14日!バレンタインだよ!」

そっか、バレンタイン…。

「毎年、チョコくれてたよな」
「うん♪でも今年は本命だよっ♪」

本命…。
去年までの本命は明人さんだった。

今年は…
いや、今年の本命も…

本当は明人さんのくせに。

「と、いうわけだから、ちょっと遅くなるけど、待っててね♪」

麗奈は無邪気に笑う。

「あぁ…」
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