ちっちゃな彼女。*30センチ差のいちごな初恋*
♪苺side♪


【今日の放課後、時間あるかな?あったら、話がしたいんだけど…。】

メールを作成したものの、なかなか送信のボタンを、押せずにいた。

押さなきゃ…送らなきゃ…。

でも、最近は話もしてないし、メールするの久しぶりだし…怖い。


「苺っ!?」
「えっ?あっ!」

隣でお弁当を食べていた由紀ちゃんの、いきなりの声に驚いた。
そして、その隙に由紀ちゃんは、あたしの手から携帯を取った。

「送~信っ♪」
「あー!!」

由紀ちゃんから携帯を奪って、画面を確認する。

【iモードメール送信しました】

「送っちゃったのっ!?」
「うん。苺、モタモタしてたから」
「どぉーしよ…」
「どおしよって告るんでしょ?」
「…うん」
「じゃあ送らないと」

由紀ちゃんはまた、何事もなかったように、箸を進める。

そう、あたしは今日…バレンタインデーに告白を決意していた。

今日なら、周りの雰囲気に便乗して、告白できると思ったから…。

結果なんて分かってる。

西藤くんは、毎日一緒にお昼を食べに行くくらい、藤堂先輩と仲良し。
あたしを選んでくれるはずなんか、ない。

あたしは今日フラれに行くの。
全てを諦めるために…。

だけど、

フラれるって分かってるけど、心の中はひどくざわついてる。


「苺もご飯食べなきゃ」
「うん」

手にフォークを持つが、とても食べる気なんて起きなかった。


結局、お昼に西藤くんからのメールは、返って来なかった。
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