授 か り 人
第十四章 近道の異変
「さてと…」

 弁当を食べ終わった雷志は、包んであった竹の皮をカバンにしまい込んで立ち上がる。

「休憩も取ったし、服も乾いたし。
 そろそろ先に進むか」

 四人は立ち上がり背伸びをしたりして体を伸ばす。

 川遊びをしていた所から少し離れた場所に大きな橋が架かっている。

「それにしてもこの川、すごく大きいね。泳いで渡るのは絶対に無理だよ」

 端に向かって歩きながら風稀は反対側の川岸を眺めている。

「水に濡れるのはもう十分だ」

 雷志は苦笑いしながら橋に足をかけた。

 時折ギシギシと音が鳴るがしっかりとした作りの木造の橋。何の不安もなく渡りきった。



「サンチュ山脈を通り抜けるんだったか」

 氷斗が目の前に見える大きな山を眺めながらうんざりしたように呟いた。

 地図を広げる火栄。
「近道を通れば二時間でたどり着くと言っていましたね」
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