頑張り屋な彼女と紳士の皮を被った狼
「…あ、ぅん」


口と口の間を銀の糸がつたる。

主任はそれを赤い舌で舐めとると、軽く唇をあわせ、


「ごちそうさまでした」

と言った。


その顔はまさに妖艶そのもの。

そして、真っ赤になっている私の耳に口を近づけると、


「続きはまた今度。これからが楽しみですね……」


と、これまた腰が砕けそうな低い声で囁いたのだった。


この人を紳士なんて言った人いったい誰!

絶対この人は紳士なんかじゃない! 紳士の皮を被った狼だ!



つづく?

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