地味子の秘密*番外編*
たとえば、二宮商事。

そこの社長は、二宮薫(にのみや かほり)といって、まだ若い女だ。

何度か、パーティーで会ったことがある。

ま、そこそこの美人らしいが、杏には敵わない。

俺から見たそいつの印象は、化粧の濃い山姥(やまんば)だった。

それでも、経営は伸びてきているらしい。


そこで。

うちも負けないように、新しくブランドを立ち上げ、デザイナーを採用するかとなっているのだった。


それも、“オールセルフの店”。


客の要望を聞き、デザインは客自身が行う。

デザインが難しいという客には、デザイナーが付き、アクセを作るという仕組みにしたいらしい。


主に、カップルや夫婦を対象に、売って行こうとするブランド。

婚約指輪や、結婚指輪、カップルたちのペアリング。

イベントごとにプレゼントできるように展開したいらしい。


今日は、そのブランドの承認と、価格などについて決めることになっている。


「高校生とかでも買えるようにしたいよな……」


誰かと、デザインがかぶるとかイヤなヤツもいるだろうし。

でも、クオリティーは下げたくない。

低価格で、高品質のものをどうやって提供するかってことか。

今日の会議は長引きそうだな。


「はぁ……頑張りますか」


一度、背伸びをして、社長室の窓から見える景色を見下ろした。


杏は何してんのかな?と思いながら。



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