地味子の秘密*番外編*
杏樹に話している間に、かなり時間が過ぎたみたい。



1年の6月から付き合い始めて…


もう1年が経った。



杏樹達みたいにハプニングだらけの恋じゃない。


私達のは…ゆっくりと穏やかなものだけど、悠の隣にいられたら…

それだけで幸せだもん。



この恋が一生続いて……最高で最期の恋になったらいいな。





「杏」

「柚莉」




教室の入口に待ち人が現れる。



「なんだ。珍しく寝てなかったんだな、杏ちゃん?」

「………いつも寝てるとは限らないもん」



「…ごめん。遅くなった」

「いいよ?お疲れ様」



二人とも私達それぞれの鞄を持って……手を差し出す。



その手をしっかりと握って、一緒に教室を出た。
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