地味子の秘密*番外編*
部屋に沈黙が流れ、お互い見つめあう。


そして、茅那が口を開いた。



「そうですね……やめます」



ポツリと言って、視線を下に向ける。

だが、コイツの手は俺の腰に回されたままだ。

強くしがみついて、離れようとしない。



「お前、ケータイは?」

「あ、バックに……」

「もってこい」



命令して、持ってこさせる。

今度は距離を取った。



「なんで、ケータイを?」


不思議そうにする茅那に、フッと冷たく笑って答える。



「誰でもいい。そうだな、事務所の社長の番号は知ってるのか?」

「は、はい」

「じゃ、かけろよ。芸能界引退しますって言え」

「へ?」

「やめるんだろ。社長に電話して、もうイヤだからやめますって。そしたら、もう終わりでいいじゃねえか」



そこまで言うと、茅那の目は揺らぎはじめた。

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