cherry
*拓也side*

------------------

誰1人通ることのない、この草むら。

俺は、昼休みに瞬を呼び出した。

この場所には、俺と瞬の2人だけ。

いつも、ふざけてばっかりの瞬も、俺の意図が分かったようで、今は真剣な顔つきだ。

「なんで、俺のこと呼び出したわけ?」

瞬が口を開いた。

「単刀直入に言うけどさ、瞬ってさ・・・咲良のこと好きだろ?」

思いきって聞いてみた。

答えなんて、聞かなくても分かってるけど。

「好きだけど。やっぱり、拓也には見破られてたか。」

ははは・・・と瞬は苦笑い。

「そりゃあ、分かるよ。あんなにアピールしてれば、みんな分かるだろ。分からないのは、咲良だけだろうな。」

「咲良は、鈍感だからな・・・」

「だな。」

2人で、顔を見合わせて笑った。
< 164 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop