下僕主とツンデレ超えた召喚物


ラグナが横になった車椅子を立て直して、腰をかがめた。


「判断ミスだ、あなたの。カルデラの強さばかり見て、驕りをもったあなたのな。

“見るだけの分”にはカルデラにはどこにも弱点がなかっただろうが、“見えない分”にも気を使うことだ」


腰をかがめたラグナがブロッサムの体を抱えて、車椅子に戻した。


定位置に戻ったブロッサムだが、その片目はカルデラと同じように力がない。がくんと人形みたく体に力そのものがなかった。


「死んではない。あれぐらいで死ぬような君の愛し人ではないだろう」


俺の耳に聞こえた優しい声。


ブロッサムも反応したようだが、しばらくはあのままでいそうだった。


負けると思わなかったのだろう。


だって、“生きる大聖堂”を超える、“生きた神”めいた男がいるとは誰しもが予想はしていないから。


< 213 / 319 >

この作品をシェア

pagetop