俺様彼氏と空手彼女
「ごめん、私のせいで」
「お前のせいなんかじゃねぇよ。心配すんな」
「でも…、」
「約束したじゃねえか。守るって」
「うん…」
「俺、もうお前から離れないから。俺が、お前を守る。だから、おとなしく守られてな」
あの自信満々で不敵な笑みで言われ、私の心臓は激しく跳ねた。
「…、ふっ。」
「え…っ」
「顔、真っ赤」
「…っ」
恥かしくなって俯けば、クスクスと笑う葵の声がして。
文句を言おうと、顔をあげて葵を睨み付ける。
だけど、葵の表情があまりにも穏やかで。
何も言えなくなって、もう一度頭を下げた。
「行こう、璃依」
「えっ、どこに?」
「決まってんだろ。」