俺様彼氏と空手彼女
そうして、私と葵がやってきたのは教室だった。
ぎりぎりホームルームには間に合ったけど、周りからの視線が痛い。
不安になって、葵のブレザーを引っ張った。
すると、心配すんな、と優しく諭してくれた。
「おはよう葵くん。どういうことかな。なんで璃依と一緒にいるの?」
前を見て見れば、不機嫌な様子で立っている凜がいた。
「いいの?ばらしても」
「かまわねぇよ。俺がこいつを全力で守る。それにお前、俺との約束守ってなかったそうじゃねーか。」
「なんのこと?」
「しらばっくれるな。璃依の偽の写真をばらまいて、更に悪い噂を広めてこいつを孤立させただろ」
周りに聞こえるぐらい、大きい声で葵は言った。すると、教室にいた全員は騒めいた。
「…知らないなぁ。なんのことだかさっぱり」
「じゃあこれ見ろよ」
と言って葵が突き出したのは。
「これに写ってるの、お前だろ」
あの、例の写真だった。
でも、どうして葵がこんなものを…