傷だらけの白猫
だから彼に出会う前の生活に戻るだけ。
知らない男の家で過ごす日々に戻るだけ。
「家、帰らねぇの?
お前、何歳だよ。」
なんだよ、さっきから失礼な奴だな。
お子ちゃまに見えるの?
確かにまだ高校生だけど。
「20歳だよ。」
本当の歳なんか言うかよ。
「へぇ…で、泊まるとこ探してるの?」
「うん、今家リフォーム中なんだよね。」
「俺ん家来る?」
何を考えたのか、不良男はあたしを泊めてくれるらしい。
「泊めてくれるの?」
「あぁ。」