Maidoll Factory
不幸なメイドール
外は雨が降っていた。

昔、僕の祖母が言っていた。

天空宮というのは、その名の通り天からの恵みを大切にする土地だと。

温かな日差し、生命を潤す雨、凍える雪や恐ろしい雷すらも、昔の天空宮の人々は天からの贈り物として感謝を捧げたという。

そういう意味では、今日の雨も天からの贈り物。

しかし。

「こう雨が降るとお客も途絶えていけねぇやな」

地下室でおやっさんがぼやく。

確かに客足が途絶え、仕事らしい仕事がない事もあって、僕は地下室で魔法エンジンの製作をするおやっさんの手伝いをしていた。

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