涙味のキス
そのとたんに
意識がふっとんだ――――
目を覚まし、きずいたのは
温かいお部屋のベッドの中だった。
薄く開いた瞼の先には
ゆらゆらと炎の揺れる
暖炉が目についた。
「・・・すみませんね?」
私が意識を取り戻したことに
気付いたのか、彼は言った
「まだあなたにはこの空間移動は
無理があったようでした」
「少し急いでいたもので・・・」
「えぇ・・・大丈夫よ・・・」
「それよりあなた、名前くらい
早く教えなさいよ」
私はベッドの中から
少し身をのりだして言った。
「あぁ、すみません・・・」
「僕の名前は・・・・・・」
「・・・俺の名・・・・・」
「名前は・・・・・・・・・・」
――――――――――・・・・
「なっ、何よ?!」
「言いなさいよ!」
数秒後、
彼があまりに焦らすので
ついムキになってしまった。