オレの相棒。




サードの金城くんの声で我に返り、慌てて二塁に送球する。

「セーフ!!!!」


痛みで一瞬反応が遅れたせいで、刺せなかった。

…普段通りなら、アウトに出来てた。


「おい、悠弥」

マウンドから東に呼ばれて、急いで向かう。


「どうした?」

「どうしたじゃねーよ。さっきから情けない顔しやがって。盗塁されたからって、落ち込むなよ」


「ごめん…」

「ヒットを打たれたのはオレだ。お前が気にするのはランナーじゃない。…バッターなんだよ」


不器用な東なりの気遣い。

あ…俺キャッチャーなのに、ピッチャーの東に気を使わせるなんて……。


ダメなキャッチャーだよな……。


「ごめん」

「何度言わせんな」








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