オレの相棒。





そんなこと、言われなくてもわかってる。

「…ほっといてくれ」

「兄貴には…ガッカリだよ」


ドアが閉まる音と共に大和の足音が遠ざかっていった。


中学の時、サヨナラホームランを打たれたときでさえ、こんなに落ち込んだりしなかった。


毎朝行っていたランニングも行く気にならない。

…これは重症だな。


そう思っていたのも束の間、再び扉が開いた。


「兄貴…、ちょっと来て」

「え?」


「いいから!!!」



無理矢理手をひかれてリビングのテレビの前に座らされた。


「なんだよ」

「見て、ここ…」


テレビには、『嶺北高校、二年連続甲子園出場。注目のバッテリー甲子園初御披露目か』とうつっていた。







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