オレの相棒。





真っ暗な部屋で一人になると、夏が終わったってことが嫌でもわかった。

…結局、悠弥と甲子園に行くことができなかったな。


今でもあいつの…自分を責めている顔が頭を離れない。

あいつの責任じゃないのに。


「兄貴、母さんが朝飯置いとくって」

あれからどれだけ経ったのか。


気が付くと朝になっていたらしい。


「いらねえ…。大和食えよ」

「俺もいらない。…兄貴もさ、いつまで落ち込んでるんだよ」


「別に落ち込んでねーよ」

「落ち込んでるよ。一番ショック受けてんの、兄貴じゃないだろ。…悠弥先輩は、結局甲子園行けなかったんだ」


「…わかってるよ」






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