上司に恋しちゃいました
昼休みが終わりに近づき、ゾロゾロと皆がオフィスへと帰っていく中、相原さん達が気まずそうに言った。


「あたし達……突然だったから驚いてて。
ただ、事実が知りたかっただけなの」


「はい……分かってます」


「ちょっと、悔しかっただけ。鬼の王子はあたし達に見向きもしてくれなかったから」


相原さん達は苦笑いしながら「じゃ~ね」と言って去っていった。


嫌な気持ちはしなかった。


ただ少し、切なくなった。


鬼の王子に憧れていた人は沢山いたんだ。


あたしはその人たちの分まで、精一杯鬼の王子を大切にしなくちゃ。


相原さん達の後ろ姿を見て、そう心に決めた。

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