上司に恋しちゃいました
……帰る? 今更?


あたしの身体を離して、ベッドから起き上がりシャワールームへと向かう鬼の王子。



背中を見つめると胸が苦しくなった。



行かないで!



言うより先に、あたしの手が鬼の王子の手を掴んでいた。



驚いて振り向く鬼の王子。



恥ずかしいとかイケナイことだとか、そんなこと考えもしなかった。



鬼の王子は一瞬驚いた顔を見せて、辛そうに顔を歪ませた。
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