上司に恋しちゃいました
「俺がどんな気持ちでお前から離れたと思ってるんだ」


もう離さない、鬼の王子はそう言ってあたしを強く抱きしめた。



唇が重なり合い、息もできないほど深く、舌を絡ませた。


そのままなだれ込むようにベッドに押し倒され、鬼の王子の左手が、私の胸を乱暴に持ち上げる。


吐息の重なる音が、荒々しく淫らに響き渡った。



服を脱ぐのを待つのもじれったいほど、早く鬼の王子の身体に触れたかった。



ワイシャツのボタンをあたしが開けて、滑り込むように鬼の王子の滑らかな背中に指を這わせた。



重なり合った身体が、まるで最初から一つの身体だったかのように、とても自然に肌に馴染んだ。


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