上司に恋しちゃいました
カードを差し込むと、部屋の照明が一気に花開いた。


あたしは大きすぎるダブルベッドを見ないように歩き、カーテンを開けた。


全身鏡のように大きい窓からは、宝石のように輝く都会の景色が広がっていた。



「キレイ……」



思わずため息を漏らすと、鬼の王子が後ろから抱きしめてきた。



「あの奥は海なんだ」



耳元でキスをするように囁かれた。



崩れ落ちてしまいそうなくらいドキドキしていたけれど、胸の鼓動が聞こえないように背中から抱きしめられた手を握った。



「オーシャンビューなんですね」



「夜だとただの黒い塊だ」



「朝が楽しみです」



「俺は夜がずっと続けばいいと思ってる」


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