上司に恋しちゃいました
「朝日に照らされた深川があまりにも綺麗だったからびっくりしたんだよ」



上半身を起こし、はにかむ笑顔でそう言った。



言葉が返せなかった。



冗談なんだろうなぁと思っても、やっぱり嬉しかったから。



朝食はルームサービスを取って、外の景色を見ながら二人でゆっくり食べた。



その後、鬼の王子の強引さに負けて昨晩は嫌がっていたお風呂に一緒に入ることになった。



泡風呂にすることを条件に。



「もう身体の隅々まで見たのに」


とあたしが真っ赤になる台詞だと分かっていてあえて言う意地悪王子。



「き、昨日は暗かったから!」



いいからいいからと言って、あたしの手を引っ張り泡でいっぱいになった浴槽に二人で入った。
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