流れ星のカケラ【完】

聖は、いつも神田くんとしかあまり絡んでなくて、

話しかけられても別に楽しくおしゃべりを続けようとするわけでもなくて、

ただ、神田くんに任せてる感じで…。

笑顔だって作り笑顔だったよね。

だって聖の目が笑ってなかったから。

女子にだって、席の周りに集まるとすぐにどこかに行こうとして、

女子たちに腕を掴まれて動けなくなる。

でも、それに対しては逃げようとしてたはずなのに、

怒ってもなくて、笑いもしないで…

ただ、何かを探しているような目で空を見ているの。

それまでの聖は、

放っておいたら1人でどこかに消えてしまいそうで、

いつも寂しい顔を、影でしていたのを私は知ってたんだよ。

聖、あなたは私に初めて出会ったとき、

『本当の愛が俺には届いてないんだよな。』

そう言ったの覚えてる?

聖の過去を知った時、本当に泣いた。

私より酷いと思った。

そして、私はその聖の過去のためにでも、

もっと愛を与えたいと思った。

なのに…

なのに、どうして聖は消えたの?

どうして私を置いていったの?

ねぇ、どうして?

教えてよ、聖___







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