流れ星のカケラ【完】

夜空に輝く天の川のほとりに、天帝の娘で織女と呼ばれるそれは美しい天女が住んで居ました。

織女は、天を支配している父天帝の言いつけをよく守り、毎日機織りに精を出していました。

織女の織る布はそれはみごとで、五色に光り輝き、

季節の移り変わりと共に色どりを変える不思議な錦です。

天帝は娘の働きぶりに感心していましたが、年頃の娘なのに

お化粧一つせず、恋をする暇もない娘を不憫に思い、

天の川の西に住んでいる働き者の牽牛という牛飼いの青年と結婚させることにしました。

こうして織女と牽牛の二人は、新しい生活を始めました。

しかし、結婚してからの織女は牽牛との暮しに夢中で毎日はしゃぎまわってばかり。

機織りをすっかり止めてしまったのです。

天帝も始めはこんな二人の様子を新婚だからと大目にみていましたが、

いつまでもそんな有様が続くと眉をひそめざるを得ません。

天帝はすっかり腹を立ててしまい、2人の所へ出向くと、

「織女よ、はたを織ることが天職であることを忘れてしまったのか。
心得違いをいつまでも放っておく訳にはいかない。

再び天の川の岸辺に戻って機織りに精を出しなさい」更に付け加えて...

「心を入れ替えて一生懸命仕事をするなら1年に1度、
7月7日の夜に牽牛と会うことを許してやろう」と申し渡しました。

織女は牽牛と離れて暮すのがとても辛く涙にくれるばかりでしたが、父天帝に背く事もできず、

牽牛に別れを告げると、うな垂れて天の川の東に帰って行きました。

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